大平数子さんの詩「母」その6

 

つばめさん つばめさん つばめさん 

あなたがいた みなみの国に

もしや わたしの子どもが 帰るのを忘れて 

あそんでいやしないでしょうか

あの子は ものおぼえのいい子だから

きっと わたしを おもい出してくれるでしょう けれど

みなみの国は あったかいから

みなみの国は いっぱい、いっぱい、花が匂うているから

花の香りにまよって わたしの子どもが 

帰るのを忘れているかも 知れないのです

もし あなたが わたしの子どもをみかけたら

わたしが 待っているから と、

あの子に 告げて 下さいな

〜おわり〜

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