全国映画フィルム所蔵調査

2014〜2020年

National Film Survey

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全国映画フィルム所蔵調査

 記録映画保存センターは、2014年度から2019年度(2020年3月)までの約6年間にわたり、文化庁「美術館・歴史博物館重点分野推進支援事業」の一環として、日本全国に点在する映画フィルムの所蔵状況および保存実態に関する調査プロジェクトを実施しました。

 かつて日本で制作され、教育現場や地域文化、産業の発展を記録するものとして蓄積されてきた数多くのフィルム原版は、時代の変化や管理組織の解散などにより、散逸や劣化、さらには廃棄の危機に直面しています。本調査は、そうしたフィルムの現状を把握し、後世への確実な継承と利活用の可能性を探ることを目的として実施されました。

 調査終了から年月が経過した現在、現存するフィルムの数はさらに減少していることが懸念されます。また、記録映画保存センターには、所蔵フィルムの保管や処分に関するご相談も数多く寄せられています。こうした状況を踏まえ、本調査の成果が一人でも多くの方に活用され、貴重なフィルムの保存と利活用につながることを願い、調査結果を公開いたします。

<2020年・調査終了時点>

560,000本+ 確認されたフィルム総数

 この調査の結果、全国の美術館、博物館、公文書館、ライブラリー、企業、個人などが所有する合計56万本を超えるフィルムの存在が明らかとなりました。当センターではこれらの収集データを整理・データベース化し、今後の保存活動や文化的・教育的活用のためのインフラ整備につなげていけるよう努めてまいります。

 本調査終了後、フィルムを所有するとご回答いただいたフィルム所有施設に向けて、フィルム保存やデジタル化に関するパンフレットを作成し配布いたしました。よろしければご覧ください。

フィルム保存パンフレットを見る

調査結果詳細

2014〜2020年

5年半にわたるフィルム調査では、約7,000施設を対象にアンケート調査を行い、回答を得られた約5割の内、1,000ヵ所近くの施設にフィルムがあることが判明しました。その総数は560,000本以上に及びます。フィルムの多くは劣化が進み、所有施設は保存や活用に関する問題を抱えています。

※ 表の数字は6年間にわたる調査の累計数です。数字は変動しています。

調査対象とフィルム所有本数(約6年間累計)

icon フィルムを所有する博物館は多いようです。
調査票送付先 発送箇所数 回答数 フィルム所有施設数 フィルム所蔵総本数
博物館 2,657 1,763 386 48,117
美術館 561 390 51 1,415
視聴覚ライブラリー 502 300 268 178,252
公文書館他 98 69 31 7,840
図書館 1,206 731 118 18,012
公民館 594 186 13 567
一般企業 778 125 32 5,688
各種法人 108 28 10 1,758
地方自治体 49 32 16 5,747
NHK(地方局含む) 54 11 1 110,000
民間放送局 138 85 35 142,559
記録映画制作会社 63 18 17 39,007
その他 8 8 7 5,613
合 計 6,816 3,746 985 564,575

※ 表の数字は6年間に渡る調査の累計数です。数字は変動しています。
※ 国立映画アーカイブ所有のフィルム数を省いた数値です。

いつ頃のフィルムか?(所有施設数)

icon 戦前のフィルムを所有する施設も多いようです。
所蔵フィルムの年代 美術館 博物館 公文書他 視聴覚 図書館 公民館 一般企業 各種法人 自治体 制作会社 その他 合計
1945年以前(戦前) 7 92 10 11 12 0 5 0 0 1 1 139
1946~1955年 4 70 14 29 11 0 7 0 2 5 3 145
1956~1970年 20 152 24 100 30 3 17 4 7 16 4 377
1971~1980年 22 161 11 167 52 6 16 4 6 16 2 463
1981~1999年 18 130 13 185 57 8 16 6 7 16 4 458
2000年以降 3 23 3 97 16 1 5 2 3 8 2 163
未確認 6 50 3 78 33 3 5 2 5 0 1 186

※上記の「いつ頃のフィルムか?」表は、回答を得やすいよう一部質問形式の異なる放送局(NHK・民間放送局)等を除いた施設の集計結果です。

放送局が所蔵しているフィルムの撮影(制作)年代(36局中)

icon 映画制作会社や一般企業、その他自治体なども一定数所蔵しています。
撮影(制作)年代 回答局数(36局中)
1945年以前(戦前) 9 局
1946年以降 6 局
1956年以降 19 局
1971年以降 5 局
未確認・無回答 3 局

※ 放送局(NHK・民放局)については、他施設とはアンケートの質問形式を一部変更して集計しています。
※ うち題名判明数:119,437 本

どんなジャンルのフィルムをどのくらいの数保存しているか?

icon 記録映画を所有する施設が多いようです。
ジャンル 1~100本 101~200本 201~500本 500本以上 未確認
劇映画(邦画) 154 施設 12 施設 2 施設 4 施設 52 施設
劇映画(洋画) 48 施設 2 施設 2 施設 3 施設 41 施設
アニメ 155 施設 55 施設 38 施設 1 施設 60 施設
記録映画 356 施設 17 施設 13 施設 6 施設 84 施設
教育教材(学校・家庭・社会) 208 施設 46 施設 83 施設 56 施設 87 施設
ニュース映画 67 施設 3 施設 8 施設 4 施設 42 施設
美術作品(実験映画など) 34 施設 3 施設 1 施設 0 施設 32 施設
民俗・無形民俗文化財の記録 155 施設 3 施設 3 施設 3 施設 51 施設
アマチュア・市民の作品 75 施設 5 施設 3 施設 1 施設 34 施設
その他 コレクション等 51 施設 4 施設 5 施設 2 施設 32 施設

※ 博物館・美術館・視聴覚ライブラリー・公文書館・図書館・公民館のみで集計しています。

デジタル化はどのくらいできているか?(作品タイトル数)

icon デジタル化の割合が高いのは公文書館のみです。
区分 公文書館他 視聴覚 図書館 博物館 美術館 公民館 企業・法人
自治体
制作会社 その他 合計
デジタル化有り 4,994 3,541 208 131 6,343 3,572 2,315 1 521 21,626
デジタル化無し 7,695 134,716 4,996 1,119 20,331 121,385 1,041 540 17,191 309,014

※ 放送局以外の集計結果です。

デジタル化を進めている施設、団体の割合

icon デジタル化のフォーマットを決めかねている施設も多いようです。
対象施設(施設数) デジタル化進行中の割合
博物館・美術館(435) 49.4%
視聴覚ライブラリー・図書館(384) 14.6%
地方自治体・公文書館他・公民館(60) 45.0%
一般企業・各種法人・その他(49) 55.1%
放送局(36) 88.9%
映画制作会社(17) 64.7%
合 計(981) 37.5%

※ 文化庁委託事業(美術館・歴史博物館重点分野推進支援事業)の集計データに基づきます。

デジタル化の割合(放送局のみ)

icon 多くの放送局でデジタル化作業を進めているため、デジタル化の割合は年々増えていると思われます。
対象 すべて完了 9割 8割 7割 5割 4割 3割 2割 未着手 無回答
放送局(36社中) 44.4% 13.9% 5.6% 5.6% 5.6% 5.6% 2.8% 2.8% 11.1% 2.8%

※ 放送局のアンケート回答状況を個別にまとめた比率です。

デジタル化できない理由は?(施設数・複数回答)

icon 予算や著作権の問題は大きいようです。
理由 博物館 美術館 視聴覚 図書館 公文書館 公民館 企業・法人 放送局 制作会社 その他 合計
著作権上の問題 58 7 108 19 8 2 2 11 6 2 223
予算上の問題 156 17 142 40 16 2 17 1 12 2 405
人員の問題 61 7 59 15 4 0 0 10 0 0 156
過去のフィルム作品について把握できていない 0 0 0 0 0 0 10 0 1 0 11
デジタル化を必要としていない 96 10 104 69 7 6 22 6 2 0 322
その他 49 7 19 12 3 3 3 6 1 1 104

※ デジタル化にあたっての課題について、複数回答の集計結果です。

フィルム所蔵施設現地調査(2020年3月現在)

icon これまでに113施設を訪問し、現状や問題点について聞き取りを行いました。具体的な質問や相談も多く受けました。
訪問施設 訪問箇所数 状況
博物館・美術館等 52 箇所 古い年代の貴重なフィルムを所有しているものの、映像内容を確認できないまま常温倉庫に保管し続けている施設が多く見受けられました。
視聴覚ライブラリー・図書館・公民館等 32 箇所 数百、数千単位で抱える視聴覚フィルムの保存や活用方法に悩まれている施設が多くありました。フィルムの劣化も大きな問題となっています。
公文書館・古文書館等 6 箇所 紙資料やマイクロフィルムと一緒に、常温管理されているケースが多く見られました。視聴ができない施設が大半でした。
一般企業・地方自治体等 9 箇所 過去に制作された自主のPR映画について、保管しているのは当時制作会社から納品されたプリントのみで、ネガ原版の所在を把握できているところは少ないようです。
放送局 7 箇所 放送局は現在急ピッチでデジタル化を進めていますが、フィルムを扱えるスタッフはすでにほとんどいなく、フィルムを廃棄してしまったところも多いようです。
映画制作会社 7 箇所 自社で管理、または有料倉庫で保管している制作会社もありますが、ある時期に国立映画アーカイブに寄贈したところも多く見受けられます。
調査報告チラシ (PDF)
ホーム全国映画フィルム所蔵調査 > #全国フィルム所有施設データベースの作成

全国フィルム所有施設データベースの作成

これまでに多くの施設からフィルム作品リストの提供を受け、作品総数は10万本を超えました。その中で承諾を得られた施設の所蔵作品5万本以上をWeb公開し、検索可能にしました。(2020年3月現在)

項目 承諾数 / 総数
フィルム所蔵施設数 985 施設
Web公開承諾施設数 276 / 478 施設
Web公開承諾リスト作品数 54,192 / 119,437 本

※ 印刷リストのみ提供を受けた施設の作品はデータベース化できていないものもあります。
公開施設内訳: 博物館・美術館:145施設 / 視聴覚ライブラリー・図書館:105施設 / 地方自治体・公文書館他・公民館:18施設 / 一般企業・各種法人・その他:4施設 / 映画制作会社:4施設

調査で収集した所蔵リストおよび映画資料の一部を、当サイトのデータベースとして一般公開しています。

全国フィルム所有施設データベース

公開許諾をいただいた約54,000タイトルについて、
所蔵施設や作品タイトルなどの検索が可能です。

現地調査

アンケート調査に加え、全国の映画フィルム所蔵施設を訪問し、保存の現状や課題についてお話を伺うとともに、フィルムの管理や活用に関するご相談にも対応してまいりました(平成26年度〜平成31年度実績)。

施設の区分 H26年度 H27年度 H28年度 H29年度 H30年度 H31年度 合計
博物館・美術館等 9 14 7 9 11 4 54
視聴覚ライブラリー・図書館・公民館等 2 6 8 9 6 3 34
公文書館・古文書館等 4 1 1 0 0 0 6
一般企業・地方自治体等 0 2 5 0 2 1 10
放送局 0 0 7 0 0 0 7
映画製作会社 0 0 0 2 3 1 6
合計 15 23 28 20 22 9 117

現地調査にご協力くださった施設(企業等を含む)

高知県視聴覚ライブラリー・神奈川県立図書館・HBC フレックス・ミュゼふくおかカメラ館・高岡市立博物館・氷見市立博物館・石川県立生涯学習センター・神戸映画資料館・おもちゃ映画ミュージアム・吉岡映像・岡山映像ライブラリーセンター・倉敷民藝館・鳥取県立博物館・鳥取市歴史博物館・横須賀市立中央図書館・共同映画・電通ライブ・国際交流基金・科学映像館・筑紫野市歴史博物館・由布市公民館・広島平和記念資料館・宮城県図書館・青森市中央市民センター・青森県視聴覚ライブラリー連絡協議会・トヨタ産業技術記念館・岐阜県博物館・岐阜県図書館・郡山市中央図書館・二本松市歴史資料館・愛媛県美術館・アイカム・学研プラス・丸木美術館・熊谷図書館・鉄道博物館調査・八千代公民館・放送番組センター・福岡市総合図書館・大分県立社会教育総合センター・広島大学原爆放射線医科学研究所・広島ホームテレビ・やまぎん史料館・広島文化映像ライブラリー・旭川市中央図書館・北海道放送・北海道立図書館・NBC 長崎放送・熊本県庁・熊本放送・RKB毎日放送・京都市動物園・讀賣テレビ放送・竹中大工道具館・兵庫県庁・サンテレビジョン・奈良県立図書情報館・東洋民俗博物館・せんだいメディアテーク・秋田県公文書館・森永製菓・森永乳業・長野県立歴史館・SKIP シティ番組・映像公開ライブラリー・清里キープ協会・新宿区立教育センター・富士見町高原のミュージアム・呉市市史編纂室・呉市海事歴史科学館・市立函館博物館・室蘭市民俗資料館・芦別市立図書館・日本野鳥の会・新潟県立生涯学習推進センター・三市南蒲地域視聴覚教育協議会・八幡平市松尾鉱山資料館・盛官市遺跡の学び館・奥州市立後藤新平記念館・諏訪市博物館・下諏訪町立諏訪湖博物館赤彦記念館・市立岡谷蚕糸博物館・大阪芸術大学博物館・大阪芸術大学映像学科・菊正宗酒造記念館・新潟大学・徳島県立文書館・北海道立文書館・北海道開拓記念館・那覇市立図書館・沖縄県公文書館・伊丹市立博物館・大阪歴史博物館・大阪市公文書館・国立民族学博物館・白鹿記念酒造博物館・立花家史料館・柳川古文書館・有田町歴史民俗資料館・湯平公民館・キッコーマン・佐賀県女性と生涯学習財団アバンセ・九州共同映画社・京都府ものづくり振興課・立命館大学・国立科学博物館・北辰・昭和のくらし博物館 他

※本プロジェクトは、(文化庁・美術館・歴史博物館重点分野推進支援事業)として実施されました。